茅ヶ崎在住20年以上・投資歴30年の個人投資家。湘南の不動産・生活コスト・働き方を当事者目線で発信。
「湘南に移住したいけど、仕事はどうする?」
この問いは、湘南移住を検討する人が必ず直面する壁だ。海のある生活に憧れても、収入の目処が立たなければ動けない。
私は茅ヶ崎に20年以上住んでいる。正直に言う。湘南は「来れば何とかなる場所」ではない。でも、自分で仕事の選択肢を持って来た人が、後悔しているケースをほぼ見たことがない。
この記事では、旧バージョンからの読者のフィードバックも踏まえ、湘南移住後の仕事確保パターンを4つ+「よくある失敗パターン」まで、より生っぽい情報に整理し直した。
- リモートワーク持ち込み型 — 現職のままテレワーク移住。最も現実的
- 地元就職型 — 藤沢・茅ヶ崎・平塚エリアの企業・施設に転職
- フリーランス・副業型 — スキルを持って独立。湘南発信のブランドで仕事を作る
- 湘南特化型 — 観光・飲食・マリンスポーツなど地域密着業種
パターン① リモートワーク持ち込み型|最も現実的な移住ルート
2020年以降、湘南への移住者が急増した最大の理由がこれだ。現職のリモートワーク制度を活用して、仕事を変えずに住む場所だけ変える。
茅ヶ崎から東京駅まで約55分、新宿まで約70分。距離感だけ見ると「意外といける」と思うかもしれない。でも週5出社の人間には、かなりきつい現実がある。
- 朝の東海道線は激混み。7〜8時台の茅ヶ崎発は座れない日が多い
- グリーン車の争奪戦は早朝から始まる(乗る前から疲れる)
- 雨の日は遅延が読めない。台風シーズンは運休レベルの欠運もある
- 週5出社だと、結局「海を見る余裕がない」ケースも珍しくない
週1〜2回の出社なら十分に成立する。ただし、出社頻度が週3を超えてくると、時間・体力・交通費のコストが都内との家賃差を相殺し始める。移住前に「出社頻度の上限」を人事・上司と明確に合意しておくことが大前提だ。
- ITエンジニア・Webデザイナー・プログラマー
- マーケター・コピーライター・編集者
- コンサルタント・士業(弁護士・税理士・社労士)
- 経営企画・人事・経理など管理部門
- 営業職(SaaS・無形商材)
- 就業規則で「居住地の制限」がないか確認(神奈川県内OKが基本だが会社による)
- 出社頻度の上限を人事・上司と書面レベルで合意しておく
- 台風・大雨による運休を想定したリスク計画を持つ
- リモートワーク制度が「縮小・廃止」になった場合の対応方針を考えておく
パターン② 地元就職型|藤沢・茅ヶ崎・平塚の雇用市場
「都内の給与水準」を求めると、湘南の地元就職は厳しい。正直に言う。湘南エリアの平均賃金は東京23区より1〜2割程度低い傾向がある(要出典確認)。それでも、通勤コスト・時間・生活の質を合算すると、選択肢として十分に成立する。
| エリア | 主な雇用業種・傾向 | 求人量 |
|---|---|---|
| 藤沢市 | IT・製造・医療・小売。キヤノン・ニコンなど大手工場あり。湘南4市で最大の雇用市場 | ◎ |
| 茅ヶ崎市 | 中小企業中心。医療・介護・飲食・小売。地元密着型求人が多い | ○ |
| 平塚市 | 製造業が強い。日産・SUBARU関連サプライヤー等。工場系求人は湘南最多水準 | ◎ |
| 鎌倉市 | 観光・飲食・小売中心。クリエイティブ系小規模企業も多い | △ |
- ハローワーク藤沢・茅ヶ崎・平塚:地元密着求人が最も集まる
- Indeed・doda・リクナビNEXT:エリア検索で「神奈川県藤沢市」等を指定
- 各市の産業振興財団:移住者向け就職支援窓口を設置している市もある
📎 エリア別の家賃水準を把握してから仕事探しを → 湘南の不動産相場まとめ【2026年版】
パターン③ フリーランス・副業型|「湘南在住」がブランドになる
湘南は、フリーランスにとって意外と「仕事の看板」になる。
実際、「湘南の海の近くで仕事してます」と一言添えるだけで、都内の無機質なプロフィールより印象に残る。特にデザイン・写真・ライティング系は、世界観そのものが営業になる。クライアントの記憶に残るという意味で、これはかなり実用的なブランド資産だ。
- Webライター・コンテンツディレクター:場所を問わず稼働。湘南・移住テーマで専門性も作れる
- フォトグラファー・動画クリエイター:海・自然・建築という撮影素材に恵まれた環境
- Webデザイナー・UI/UXデザイナー:完全リモート案件が多く、地場企業からの依頼も増えている
- オンライン家庭教師・コーチ・コンサルタント:Zoom完結で稼働できる
- ハンドメイド・クラフト作家:観光地・マルシェ出店の機会が豊富
- 移住前に収入の目処(月収6ヶ月分以上の貯蓄)を確保してから動く
- 社会保険・国民健康保険への切り替えコストを事前に計算する
- 家賃が高い湘南では、収入が安定するまでの期間が精神的にきつくなりやすい
パターン④ 湘南特化型|「湘南を仕事にする」の現実
湘南という場所そのものを仕事にする選択肢だ。観光・自然・食・スポーツという湘南固有のリソースを活かした働き方で、「好きな場所で好きなことをする」という充実感は得難い。ただし、経済的な現実は甘くない。
- カフェ開業は冬場の固定費耐久戦になりやすい。「夏だけ混む」問題がかなり大きく、海沿い立地は家賃も高い。湘南でカフェを開きたい人は多いが、2〜3年で閉店するケースも珍しくない
- サーフィン・マリンスポーツ系は冬季の収入が不安定。副業の柱を別に持っておく人が多い
- 農業・漁業は就農支援制度を活用しても、最初の3〜5年の収入が厳しい(要確認)
| 業種・職種 | 特徴・注意点 |
|---|---|
| マリンスポーツ・サーフィンインストラクター | 資格・経験必要。夏安定/冬は副業必須 |
| 飲食・カフェスタッフ・経営 | 求人は常にあるが、開業は冬場の固定費に注意 |
| 宿泊業・民泊・ゲストハウス | 鎌倉・江の島周辺で成立しやすい。観光需要依存 |
| 地元企業のWeb・SNS担当 | デジタル化が遅れる地場中小企業からの需要増。コンサル形式も可 |
湘南移住で仕事に失敗する人の共通パターン
移住を後悔した人の話を聞くと、パターンはだいたい同じだ。
- 「家賃だけ見て移住した」:湘南は都内より家賃が安いエリアもあるが、車が必須になるエリアでは維持費が家賃差を上回ることがある
- 「夏だけ見て決めた」:湘南の冬は風が強く、観光業・飲食業は閑散期に入る。季節ギャップを実体験してから移住判断するのが正解
- 「リモートワーク縮小を想定していなかった」:全面リモートで移住したのに、2年後に週3出社に戻ったという話は珍しくない
- 「地元給与水準を甘く見た」:都内並みの求人を探して「ない」と気づくのが移住後では遅い
- 「仕事より先に家を決めた」:賃貸契約後に仕事が決まらず、結局都内に戻るパターン
湘南のコワーキングスペース|フリーランス・テレワーカーの拠点
湘南のコワーキングは、都内のそれとは少し空気が違う。
茅ヶ崎のコワーキングは「仕事場」というより、半分コミュニティに近い雰囲気がある。都内みたいに全員イヤホンで無言、ではなく、雑談から仕事につながるケースが珍しくない。これは湘南移住者同士の横のつながりが濃いからだと思う。
- 藤沢・辻堂エリア:駅近ビジネス向けが充実。ドロップイン利用可能な施設が多い(NEKTON COWORKINGなど)
- 茅ヶ崎エリア:海近・カフェ系のコワーキングが点在。地元クリエイターとの交流が生まれやすい
- 鎌倉エリア:古民家リノベ型・ゲストハウス併設型など個性的な施設が多い
- 平塚エリア:ビジネス向け中心。価格帯がリーズナブルな傾向
- 週3日以上稼働するなら月額契約がお得
- 固定席が必要なのは「郵便物受け取り・荷物置き」が必要な場合
- クライアントとのオンラインMTGが多い場合は個室有無を必ず確認
- 無料体験・お試し利用は必ず事前に活用する
📎 藤沢・辻堂のコワーキング詳細はこちら → 湘南移住者の仕事場と人脈をつくる場所|NEKTON COWORKING徹底紹介
湘南で仕事の人脈を作る方法
- コワーキングスペースのコミュニティイベントに参加する。フリーランスが多く、初対面でも仕事の話になりやすい
- 湘南エリアのマルシェ・マーケットに出店・参加。クリエイター・事業者と直接つながれる
- 地元の個人店SNSをフォロー&リアルに会いに行く。湘南の個人店主はSNSを積極活用している人が多い
- 地域の任意団体・NPO・まちづくり組織に参加する。行政・企業・地元住民と横断的につながれる
- 湘南発のローカルメディア・Webサービスに寄稿・関わる。地域内での認知が仕事につながりやすい
湘南移住前の「仕事」チェックリスト
- 現職のリモートワーク可否・居住地制限・出社頻度の上限を確認・合意した
- 湘南の家賃水準に合わせた「最低限必要な月収」を計算した
- 転職の場合、移住先エリアの求人数・給与水準を移住前に調べた
- フリーランス移住の場合、半年分以上の生活費を確保している
- 「仕事が決まる前に家を決めない」か、両方を同時進行するプランを持っている
よくある質問 FAQ
Q. 湘南はリモートワークしやすい環境ですか?
A. 設備面では十分。コワーキングの選択肢も増えている。ただし自宅ネット環境(光回線の引き込み可否)は物件選びの段階で確認が必要。
Q. 湘南移住で年収は下がりますか?
A. 地元転職をする場合は下がる可能性が高い(要出典確認)。リモートワーク継続の場合は維持できる。フリーランスは移住後の収入設計次第。
Q. 湘南は車なしで生活できますか?
A. 藤沢・辻堂・茅ヶ崎の駅周辺は車なしで成立する。ただし北部の住宅地や子育てで保育園・学校への送迎が必要になると、車なしは厳しい場面が増える。
Q. 湘南移住で後悔する人はどんな人?
A. 仕事の目処を立てる前に移住した人、リモート縮小リスクを想定していなかった人、夏だけ湘南を見て「いいな」と決めた人。上記の失敗パターンが当てはまる場合は移住タイミングを慎重に。
まとめ|湘南で仕事を作れる人は「選択肢を持っている人」だ
- 最も現実的なのはリモートワーク持ち込み型。まず現職で交渉してから動く
- 地元就職は給与水準に覚悟が必要だが、藤沢・平塚は求人が充実している
- フリーランスは湘南をブランドとして使えるが、収入安定前の移住はリスクが高い
- 湘南特化型は「カフェ・マリン系の冬問題」を理解した上で選ぶ
- コワーキング+地域コミュニティへの参加が、仕事と人脈の両方を生む近道
湘南は、「来れば何とかなる場所」ではない。でも、自分で仕事を作れる人には、東京より息がしやすい場所でもある。移住という大きな決断の前に、収入の設計だけは慎重にやってほしい。少なくとも私の周囲では、仕事の選択肢を持って移住した人が、比較的うまく定着している。
2025〜2026年にかけて、リモートワーク「縮小」の動きが大企業を中心に出てきている。「フル出社回帰」ではなく「週2〜3出社」への揺り戻しだ。湘南移住者にとって、これが一番のリスクだと思っている。
今後の湘南の働き方で注目しているのは「藤沢・辻堂の地場IT化」だ。鎌倉系のスタートアップが徐々に点在しつつあり、湘南でもリモートではなく「現地採用のIT職」が増えつつある(最新情報要確認)。都内企業のサテライトオフィス誘致も含め、今後5年で湘南の雇用構造は変わる可能性がある。
「移住して仕事が不安」な人へ。湘南で20年住んでいて言えることは、「仕事より先に、なぜ湘南に住みたいのかを自分に問うてほしい」ということ。理由が明確な人は、仕事の問題をいつの間にか解決している。
※本記事の情報は執筆時点のものです。給与水準・求人傾向・各種制度は変動します。重要な判断の前には各自でご確認ください。特定の企業・物件・サービスを保証するものではありません。
- 厚生労働省 ハローワーク求人統計データ(最新情報要確認):https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/114-1.html
- 神奈川県 移住・定住促進ポータル(最新情報要確認):https://www.pref.kanagawa.jp/docs/i7f/cnt/f530176/
- SUUMO 湘南エリア賃貸物件情報(最新情報要確認):https://suumo.jp/chintai/kanagawa/

