2026年2月、RIZAPグループが湘南ベルマーレから撤退した。
あれから約半年が過ぎました。
当時かなり大きなニュースになったので、「結局ベルマーレはその後どうなったんだろう」と気になっていた方もいると思います。
茅ヶ崎に住んでいる自分も、その一人です。
RIZAPが持っていた株式はフジタやアマダ、産業能率大学など複数の出資者へ渡り、クラブは「特定の親会社に支えられる形」から別の道を歩き始めました。
では半年たった今、ベルマーレは再建に向かっているのでしょうか。
経営体制はどう変わったのか。
J1復帰を目指すチームは順調なのか。
そして、あれだけ揉めたスタジアム問題は動いたのか。
前回の記事の続きを追ってみます。
RIZAP撤退後、経営陣はかなり変わった
まず一番わかりやすい変化が経営体制です。
2026年3月1日、湘南ベルマーレは臨時株主総会と取締役会を開き、雲出哲也氏が新しい代表取締役社長に就任しました。
取締役にはフジタ、アマダ、産業能率大学、Authense Holdings、日本端子などの関係者が加わっています。
現在クラブが公表している主な株主も、
- フジタ
- アマダ
- 産業能率大学
- 湘南ベルマーレ持株会
- マッケンジーハウス
- Authense Holdings
- 平塚市まちづくり財団
- 日本端子
など。
このほかにも多くの企業が株主として名を連ねています。
RIZAPという一つの大株主がクラブを引っ張る体制から、
複数の地域企業や支援企業がクラブを支える形
へ移ったと考えるとわかりやすいでしょう。
RIZAP撤退当時にフジタが掲げていた「特定の親会社を持たない独立したクラブ」という言葉が、少しずつ形になってきたように見えます。
フジタがかなり前面に出てきた
とはいえ、「みんなで支えるクラブになりました」で終わるほど単純でもありません。
新しい体制を見ていると、やはりフジタの存在感はかなり大きい。
2026/27シーズンのユニフォーム胸スポンサーはフジタです。
鎖骨にはアマダ。
フジタは百年構想リーグに続いて新シーズンも胸スポンサーを継続し、クラブと一緒にJ1復帰を目指す姿勢を明確にしています。
取締役にもフジタ関係者が複数入っています。
なので、
「RIZAPからフジタに親会社が変わった」
と単純に言うのは違うのですが、
RIZAP撤退後のベルマーレを支える中心企業の一つがフジタ
という見方はそれほど外れていないと思います。
ただし、アマダや産業能率大学をはじめ、スポンサーもかなり多い。
8月1日時点で公表されているオフィシャルクラブパートナーには、フジタ、アマダ、産業能率大学、マッケンジーハウス、荒井商事、イオンモールなど地元でも馴染みのある名前が並んでいます。
「一社に全部任せる」のではなく、地域の企業群で支える方向へ進んでいる。
これは前回の記事を書いた時点より、かなり見えやすくなりました。
ではサッカーはどうなのか
経営が安定しても、サッカークラブなので最後はここです。
J1に戻れるのか。
2026年前半に行われた「明治安田J2・J3百年構想リーグ」で、湘南ベルマーレはEAST-Aグループ3位でした。
18試合で勝点31。
仙台が勝点43、秋田が35、湘南が31です。
ものすごく悪かったわけではありません。
ただ、
J1から降りてきたクラブが圧倒的な強さを見せた
という感じでもない。
そして8月から、本格的な2026/27シーズンのJ2リーグが始まりました。
9月6日時点で5試合を終えています。
湘南は、
| 対戦相手 | 結果 | 勝敗 |
|---|---|---|
| 大分 | 1-0 | ○ |
| 山形 | 1-0 | ○ |
| 宮崎 | 0-0 | △ |
| 大宮 | 2-2 | △ |
| 仙台 | 1-3 | ● |
2勝2分1敗。
勝点8です。
開幕2連勝したところまでは、
「これはいけるんじゃないか」
という空気も少し出ていました。
ところが、その後3試合は勝利なし。
9月5日の仙台戦では開始9分に山田寛人選手のゴールで先制しましたが、その後3失点して1-3で逆転負けしました。
J2に落ちれば簡単に勝てる。
もちろん、そんな世界ではありません。
J2の5試合を見て少し気になること
まだ5試合です。
ここでシーズンの良し悪しを決めるのは早すぎます。
それでも、百年構想リーグから見ていると、少し引っかかるものがあります。
ベルマーレは2025年、J1で19試合勝てない時期を経験しました。
負け始めると、勝ち方を思い出すまでが長い。
その嫌な記憶を持ったままJ2へ来ています。
だからこそ、大分、山形と連勝したスタートはかなり大きかった。
ところが宮崎に0-0、大宮にはリードを守れず2-2、仙台には先制しながら1-3。
「内容は悪くなかった」で済ませているうちに勝点を落としていく。
前年を見ているだけに、ここはちょっと怖いところです。
ただ、まだ始まったばかり。
J1昇格を語るにも、失速を語るにも早い。
今はそんな位置だと思います。
それでもスタジアムには1万人前後が来ている
今回調べていて、むしろ一番気になった数字はこちらでした。
観客数です。
8月15日のホーム開幕・山形戦。
11,583人。
そして9月5日の仙台戦。
9,069人。
Jリーグ公式によると、この仙台戦までの今季平均入場者数は10,326人です。
J2に降格した。
RIZAPも撤退した。
経営の先行きについていろいろ言われた。
それでも平均1万人を超えている。
これは結構大きな数字だと思います。
前の記事では「湘南ベルマーレ 出ていけ」という検索ワードについて書きました。
あの言葉だけを見ると、平塚市民とベルマーレの関係は完全に冷え切っているようにも見えます。
でも現実には、J2になったベルマーレを1万人近い人が見に来る。
11,000人を超える試合もある。
この二つは同時に存在しています。
ネット上の強い言葉だけで地域の空気全部を説明するのは、やっぱり難しい。
「出ていけ」と言われても、どうでもいい存在ではない
前の記事を書いたとき、
「出ていけも、出ていくなも、結局ベルマーレへの関心の裏返しなんじゃないか」
と書きました。
半年たってみても、その感覚はあまり変わっていません。
本当に地域から必要とされていないクラブなら、J2へ落ちてスポンサーが抜けたタイミングで観客も一気に離れてしまうでしょう。
ところが実際には、平均1万人前後がスタジアムへ来ている。
企業も残っている。
むしろ新しい経営体制になって、フジタやアマダを中心に「支え直す」動きが見えてきました。
もちろん、
「人気があるなら税金を使って新スタジアムを建てていい」
という話にはなりません。
そこは別問題です。
クラブへの愛着と、自治体の財政負担は分けて考えないといけない。
ここをごちゃ混ぜにすると、また同じ議論になります。
では、スタジアム問題はどうなったのか
一番気になっている方も多いと思います。
ただ、ここについては2026年9月時点で、
新スタジアム建設が決まった、あるいは具体的な建設計画が大きく進んだ
と確認できる新しい公式発表は、今回調べた範囲では見当たりませんでした。
クラブは現在もレモンガススタジアム平塚をホームスタジアムとして使用しています。
収容人数は15,380人です。
2026/27シーズンのチケット販売やホームゲーム運営も、当然ながらレモンガススタジアムを前提に進んでいます。
つまり、
経営体制は変わった。
チームもJ1復帰へ動き出した。
でもスタジアム問題そのものは残っている。
半年後の現在地を一言で表すなら、そんなところでしょうか。
RIZAP撤退はベルマーレにとって悪いことだったのか
ここはまだ答えを出すには早いと思います。
RIZAPが経営参画した8年間にはルヴァンカップ優勝もありました。
クラブの規模を大きくしようとした功績もあります。
一方で、最後はJ2降格とほぼ同じタイミングで株式を売却することになりました。
そこだけ切り取れば「撤退」に見えます。
ただ半年後の姿を見ていると、
RIZAPが抜けたことでベルマーレそのものが崩れたわけではありません。
フジタやアマダ、産業能率大学、地元企業、持株会などが入り、新しい経営陣が発足した。
スポンサーも続いている。
観客も来ている。
ここは自分が思っていたよりしぶとい。
良い意味で。
本当の勝負はこれから
結局、ベルマーレの再建が成功したかどうかは、まだ判断できません。
経営陣が変わったことも、
スポンサーが続いたことも、
ホームに1万人が来ていることも、
すべてプラス材料です。
それでも最終的には、
J1へ戻れるのか。
そして、
J1へ戻ったとき、今のスタジアム問題をどうするのか。
ここへ戻ってきます。
J2にいる間は、スタジアム問題が以前ほど表面化しないかもしれません。
でも昇格すれば再び避けて通れない。
むしろクラブが強くなればなるほど、また同じ問題が大きくなる可能性があります。
少し皮肉な話です。
🏖️ なおのひとこと
前の記事を書いた頃は、RIZAP撤退のニュースがあまりにも大きくて、
「ベルマーレ大丈夫なのかな」
という感じが正直ありました。
半年後に改めて追ってみると、想像していたより普通にクラブは動いている。
新しい経営陣がいて、スポンサーがいて、サポーターがいて、レモガスには1万人が来る。
もちろん、それだけで経営が安泰という意味ではありません。
J1復帰も簡単ではないでしょう。
ただ、湘南ベルマーレというクラブは、RIZAPという一企業よりずっと大きな範囲に根を張っていたんだな、と少し感じました。
茅ヶ崎に住んでいると、平塚のスタジアム問題はどこか「隣町の話」に感じる瞬間もあります。
それでも「湘南」の名前を背負っているクラブです。
半年後、一年後。
また状況が大きく動いたら追ってみたいと思います。
