神奈川県民の通勤時間は全国ワースト1位――。
そんなニュースを見ると、「湘南に住むと、毎日長時間の通勤になるのでは?」と思う方もいるかもしれません。
たしかに、神奈川県全体の通勤時間は全国でも長い部類に入ります。ただし、横浜・川崎と藤沢・茅ヶ崎・鎌倉では、通勤事情も暮らし方もかなり違います。
茅ヶ崎に7年住んでいる私の実感からすると、「神奈川県は通勤地獄」と一括りにするのは少し違う気がします。
湘南から都心へ通勤する場合、実際にはどれくらいかかるのか。通勤時間と引き換えに、湘南でどんな暮らしができるのか。今回はそのあたりを、できるだけ生活者目線で整理してみます。
この手のランキング記事が出るたびに「神奈川はやめとこう」というコメントがつくのを見るのですが、神奈川県は横浜・川崎の都市部から西湘・県西部まで幅が広すぎて、県平均の数字にあまり意味がないというのが正直な感想です。同じ神奈川でも、湘南エリアの通勤事情はエリアによってかなり差があります。
湘南各駅から都心までの通勤時間の目安
あくまで平日日中のダイヤをもとにした目安ですが、湘南エリアから都心主要駅までの乗車時間はだいたい以下の通りです(乗り換え時間・駅までの徒歩は含みません)。
| 出発駅 | 主な路線 | 東京駅まで(目安) | 新宿駅まで(目安) |
|---|---|---|---|
| 藤沢 | JR東海道線 | 約55〜60分 | 湘南新宿ラインで約60分 |
| 辻堂 | JR東海道線 | 約60分前後 | 約65分前後 |
| 茅ヶ崎 | JR東海道線 | 約65〜70分 | 約70分前後 |
| 鎌倉 | JR横須賀線 | 約55〜60分 | 湘南新宿ラインで約60分 |
ざっくり言うと、藤沢・鎌倉あたりは片道1時間前後、茅ヶ崎まで来ると1時間強、というのが体感に近い数字です。今回のニュースにあった「神奈川県平均・往復100分(片道50分)」という数字とだいたい同じか、少し長いくらいの水準です。つまり「湘南だから特別長い」わけでも「湘南だから短い」わけでもなく、全国の中では確かに長いほうのグループに入る、というのが実態だと思います。
それでも私が「通勤時間だけで判断しない方がいい」と思う理由
元記事は「生涯で見ると通勤は労働時間の2割にあたる」という切り口で、数字だけ見るとかなりインパクトがあります。ただ、移住や引っ越しを考えている方に向けて、実体験からいくつか補足しておきたいことがあります。
藤沢や辻堂は始発駅ではありませんが、グリーン車を利用したり、時間帯によっては着席して通勤できることもあります。同じ「片道60分」でも、座って過ごせる60分と満員電車で立ちっぱなしの60分とでは疲労感がまったく違います。この「座れるかどうか」は統計の通勤”時間”には出てきませんが、体感としてはかなり大きな要素です。
40年間・年245日出社という記事の試算はあくまでモデルケースで、実際には週2〜3日在宅勤務という働き方をしている方も湘南エリアには多い印象です。ハイブリッドワークが定着している職場であれば、「通勤=労働時間の2割」という前提そのものが個人差の大きい話になります。
私自身は通勤中に本を読んだりPodcastを聞いたりする時間として割り切っていて、それが苦にならないタイプでした。逆に、通勤時間そのものがストレスになりやすい方にとっては、湘南から都心への通勤はやはり負担になり得ます。ここは性格や働き方によって答えが変わる部分だと思います。
通勤コストと引き換えに湘南で得られるもの
今回のニュースの見方を変えると、「通勤に片道1時間かけてでも住みたいと思う人が神奈川に集中している」とも読めます。湘南エリアの場合、その理由の多くは海や自然が近い環境、都心に比べて落ち着いた住環境、子育て世帯に選ばれる理由がある、といった要素だと感じています(この点は私個人の感覚であり、統計的な裏付けがあるわけではありません)。
通勤時間だけを最小化したいなら、都心により近いエリアを選ぶ方が合理的です。一方で「生活の質」と「通勤時間」を天秤にかけて、あえて湘南を選ぶ人がいるからこそ、この地域には独特の住みやすさが成立している、というのが7年住んでみての実感です。
よくある質問
Q. 湘南から東京都心への通勤は現実的ですか?
A. 藤沢・辻堂・鎌倉あたりであれば片道1時間前後が目安で、通勤している方は実際に多くいます。ただし満員電車のストレス耐性や、在宅勤務の頻度によって「現実的かどうか」の感じ方は人それぞれです。
Q. 通勤時間を短くしたいなら湘南のどのあたりが良いですか?
A. 一般的には藤沢・辻堂が都心寄りで通勤時間が短めの傾向にあります。茅ヶ崎より西や、鎌倉でも横須賀線の始発が使えない駅になると、体感の通勤負担は増えやすい印象です(あくまで目安で、勤務先の最寄り駅によっても変わります)。
Q. 在宅勤務前提でも湘南に住むメリットはありますか?
A. 出社頻度が低いのであれば、通勤の負担そのものが小さくなるため、むしろ湘南のような住環境の良さを優先しやすくなると思います。実際、在宅勤務の普及後に湘南への移住を決めたという声もよく耳にします。
出典:
神奈川県民の生涯通勤時間は「8年分の労働時間」に匹敵、最短の県とは1.8倍の差。通勤の「人生コスト」が明らかに(BUSINESS INSIDER JAPAN/Yahoo!ニュース)

