「湘南に住みたい。でも藤沢や茅ヶ崎の家賃を見ると、ちょっと高い」
そんな人が一度見ておいていい街が、平塚です。
私は湘南に20年以上住んでいます。平塚は隣の生活圏という感覚が強く、買い物や用事で足を運ぶ機会も多い街です。
湘南という言葉から、江の島や鎌倉、茅ヶ崎の海沿いを想像する人は多いと思います。ただ、実際に暮らすとなると家賃、通勤、買い物、子育て、災害リスクまで見なければなりません。
その目線で見ると、平塚はかなり面白い立ち位置にあります。華やかな「湘南ブランド」を前面に出す街ではない。その代わり、住居費を抑えながら湘南エリアで生活したい人には、現実的な選択肢になりやすい街です。
この記事でわかること
- 平塚の家賃は藤沢・茅ヶ崎と比べてどうなのか
- 駅北口・駅南側・郊外で暮らしの雰囲気がどう違うのか
- 子育て支援と保育園探しで確認したいこと
- 東京・横浜方面への通勤のリアル
- 海や川の近くに住む前に見ておきたい災害リスク
- 平塚が向いている人、向いていない人
平塚はどんな街? 人口約25万7,000人の湘南西部の中心都市
平塚市の人口は、市が毎月公表している推計人口で約25万7,000人(2026年)。湘南エリアでは藤沢市に次ぐ規模の街です。
JR東海道線と湘南新宿ラインを利用でき、横浜・東京方面へ乗り換えなしで移動できます。観光地というより「普通に生活する街」という印象の方が近いかもしれません。
平塚駅には駅直結のラスカ平塚があり、駅から少し離れるとららぽーと湘南平塚、OSC湘南シティ、市北部にはジ・アウトレット湘南平塚があります。以前の平塚と比べると、買い物環境はかなり充実しました。
湘南で長く暮らしている私から見ると、平塚の良さは「湘南っぽく見せようとしていないところ」だったりします。
海もある。商業施設もある。少し離れれば田畑や丘陵もある。それでいて藤沢や辻堂ほど住宅費が上がっていない。このバランスが平塚の特徴です。
平塚の家賃は本当に安い?
平塚を検討する大きな理由のひとつが住居費です。2026年の賃貸情報を見ると、平塚市は藤沢市や茅ヶ崎市と比べて、全体として家賃を抑えやすい傾向があります。
ただし「平塚なら何でも安い」と考えるのは少し危険です。駅近、新築・築浅、広いファミリー物件になれば、当然それなりの家賃になります。賃貸サイトによって集計条件も違うため、「平塚の1LDKは必ず○万円」という見方はしない方がいいでしょう。
家賃は「同じ条件」で3市を比べる
SUUMOの市区単位の集計では、平塚市は茅ヶ崎市・藤沢市より低い水準です。ただし駅距離・築年数・建物種別で家賃は大きく変わります。物件を探すときは、駅徒歩・築年数・間取りをそろえて平塚・茅ヶ崎・藤沢を並べてみると、差がはっきり見えます。
ここは、住んでいる側の感覚ともそれほどズレません。特に「駅徒歩5分」にこだわらず、自転車やバスを使える人ほど、平塚の選択肢はかなり広がります。
平塚は市域が広く、駅から離れた住宅地にもスーパーやドラッグストアがあります。車を持つ家庭なら、駅からの距離だけで物件を判断しなくてもいい街です。
湘南全体の家賃・物件価格の傾向は、こちらで整理しています。

平塚の治安は悪い? 「街全体」で判断しない方がいい
「平塚って治安どうなの?」
湘南で引っ越し先を探している人から、かなり聞かれる話です。
平塚駅北口には飲食店や娯楽施設が集まる繁華街があり、夜は当然、静かな住宅街とは雰囲気が違います。一方で、駅南側や駅から離れた住宅地まで同じ雰囲気かというと、まったくそんなことはありません。
数字も一応見ておきます。平塚市の行政評価シートによると、市内の刑法犯認知件数は2024年度実績で1,477件。計画策定時の1,227件から増えており、市は防犯カメラ設置の補助や防犯街路灯の整備、特殊詐欺対策などを続けています。件数には自転車盗や詐欺なども含まれるため、この数字だけで「危ない街」と決めるのは早計ですが、楽観しすぎず確認しておきたいところです。
実際の事件の発生状況は、神奈川県警の平塚警察署のページで確認できます。湘南各市の治安を比べた記事もあわせてどうぞ。

治安については「平塚だから安全」「平塚だから危険」と市単位で判断するより、住もうとしている住所の周辺を確認する方が現実的です。
物件を見るなら夜にも一度歩いてみる
昼間の内見だけでは、駅から自宅までの明るさ、人通り、交通量、周囲の店舗などが分かりません。平塚に限りませんが、引っ越す前に夜の帰宅時間帯を一度歩いてみることをおすすめします。
子育て世帯から見た平塚
平塚は、子育て世帯にとっても検討しやすい街です。大きいのは住居費だけではありません。
平塚市の小児医療費助成は、0歳から18歳になった後の最初の3月31日までが対象で、保険診療の自己負担分が助成されます。平塚市は2020年1月から保護者の所得制限を撤廃しており、湘南・西湘エリアでは早い時期の撤廃でした。
制度は変更されることがあるため、実際に転入する際は平塚市の公式サイトで最新条件を確認してください。
保育園は「平塚なら入りやすい」とは限らない
保育園については、単純に「平塚は入りやすい」「入りにくい」とは言えません。年齢、希望する園、申込時期によって状況が変わるからです。
平塚市は保留児童数や受け入れ状況を公開しています。未就学児がいる家庭なら、家を決める前に希望エリアの保育園の空き状況まで確認しておくと安心です。転入予定の段階でも、賃貸契約書などを添えて申し込める仕組みがあります。
公園や自然が身近にある
平塚には海だけでなく、相模川や総合公園など、子どもと外で過ごせる場所があります。湘南平方面まで行けば緑も多く、市内でも場所によって風景がかなり変わります。
「休日は毎回どこかの施設に出掛けたい」という家庭より、公園や海、自転車など日常の中で外遊びを楽しみたい家庭には相性がいいと思います。
湘南の他の街も含めた子育て環境の比較はこちら。

平塚の買い物環境はかなり便利
ここは昔の平塚のイメージを持っている人ほど、一度見に来た方がいいところです。駅直結のラスカ平塚に加えて、ららぽーと湘南平塚、OSC湘南シティ、ジ・アウトレット湘南平塚など、大型商業施設がそろっています。日常のスーパーやドラッグストアも市内各地にあります。
ただし、平塚市は横に広い。
駅前で暮らすのと、大神や岡崎方面で暮らすのでは、生活スタイルがかなり違います。駅周辺なら徒歩や自転車中心でも暮らしやすい。一方、郊外は車があると一気に便利になります。これは物件価格だけでは見えないところです。
東京・横浜への通勤はどうなのか
平塚駅からはJR東海道線、湘南新宿ラインを利用できます。
横浜駅までは列車によって30〜40分程度。東京駅までは時間帯によりますが、おおむね1時間前後から1時間10分程度を見ておいた方がいいでしょう。
乗り換えなしで都心へ行けるのは楽ですが、毎日となると話は別です。茅ヶ崎、藤沢、大船と進むにつれて乗客も増えていきます。
なおのひとこと
湘南から都心への通勤の話を書くたびに思うのですが、「電車で1時間」と「毎朝混んだ電車で1時間」はまったく別物です。週1〜2日の出社なら許容できても、週5日になると負担に感じる人は多いはず。平塚の住居費の安さは、この通勤時間とセットで考えてください。
湘南の各駅から東京への所要時間・ルートは、こちらで比較しています。

平塚で家を買うなら「海が近い」だけで選ばない
湘南で住宅を探していると、どうしても海までの距離に目が行きます。ただ、平塚で不動産を購入するなら、もうひとつ必ず見てほしいものがあります。
ハザードマップです。
平塚市は東に相模川、西に金目川(花水川)が流れ、南は相模湾に面しています。市は津波・洪水・内水・高潮・土砂災害など複数のハザードマップを公開しており、同じ市内でも場所によって想定される災害は違います。
「海まで自転車で5分だから最高」という条件が、そのまま住宅としてのメリットだけになるわけではありません。
中古住宅を見るときに確認したいこと
- 洪水・津波・高潮・土砂災害のハザードマップ
- 駅まで実際に歩いた時間
- スーパーまでの距離
- 車を使う場合の国道129号・134号周辺の混雑
- 海側なら塩害の影響
- 通勤・通学ルート
湘南で長く暮らしていると、海の近さは魅力である一方、塩害や風の強さも生活の一部だと感じます。このあたりは不動産広告だけでは、なかなか見えてきません。
平塚が向いている人・向いていない人
ここまで見てくると、平塚が合いやすい人はかなりはっきりしています。
- 湘南に住みたいが住宅費は抑えたい
- 家の広さも重視したい
- 横浜や神奈川県内へ通勤する
- 車や自転車を使うことに抵抗がない
- 観光地らしさより普段の生活を重視する
- 海や川、公園など自然が近い暮らしが好き
反対に、毎日都心へ通勤し、駅から徒歩数分以内ですべてを済ませたい人は、藤沢や辻堂も含めて比較した方がいいでしょう。

「湘南に住む=海の目の前に住む」ではありません。何を優先するかで、選ぶ街はかなり変わります。
まとめ|平塚は「無理をしない湘南暮らし」を考えやすい街
平塚を一言で表すなら、私は「無理をしない湘南」だと思っています。
鎌倉のような観光地ではない。辻堂のような新しい街の華やかさとも少し違う。茅ヶ崎ほど「湘南」というイメージを前面にも出していません。
その代わり、普通の生活がちゃんとあります。駅前で買い物ができる。少し自転車を走らせれば海がある。車があれば郊外の大型商業施設にも行ける。そして藤沢・茅ヶ崎と比べると、住宅費もまだ抑えやすい。
ただし、都心への通勤時間、場所による生活環境の違い、海や川に近い地域の災害リスクは確認しておきたいところです。
平塚は「湘南だから住みたい」という人より、「湘南で実際に生活したい」という人ほど一度見てほしい街です。ネットで家賃だけを比較するより、平塚駅で一度降りて、駅南側から海方面、北側の商業エリアまで歩いてみる。たぶん、その方がこの街の立ち位置はよく分かります。
湘南の街選びに、あわせて読みたい記事
出典・参考資料
- 平塚市「人口速報ひらつか」(令和8年7月1日現在)
- 平塚市「行政評価シート(分野別施策)」刑法犯認知件数ほか
- 神奈川県警察 平塚警察署(事件発生状況)
- 神奈川新聞「小児医療費助成、所得制限を撤廃 平塚市」(2019年5月31日)
- 平塚市「令和7年度 平塚市保育所等利用案内」
- 神奈川県「津波ハザードマップ」(沿岸市町の掲載ページ一覧)
- 神奈川県「高潮ハザードマップ」(沿岸市町の掲載ページ一覧)
※人口・防犯・子育て支援・保育所・ハザードマップ等の制度や統計は、平塚市・神奈川県などの公表資料をもとにしています。家賃・交通時間は掲載時点の情報を参考にしており、物件条件や時間帯によって変動します。最新情報は各公式サイトでご確認ください。

